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PBR1倍割れは本当に「割安」か? ─ 1,472社の実態と投資機会を分析

日本の上場企業のうち約1,472社がPBR1倍割れ。東証の資本効率改善要請を背景に、PBR1倍割れ銘柄の中から「真の割安株」を見つける方法を解説します。

編集: Zaimiru 編集部 ・公開日: 2026-03-14 ・最終更新日: 2026-03-14 ・編集方針計算ロジック訂正履歴

日本株市場で長年議論されてきた「PBR1倍割れ」問題。東京証券取引所が2023年に資本コストや株価を意識した経営の実現を要請して以来、PBR改善は上場企業の経営課題となっています。

Zaimiruのデータによると、上場企業3,729社のうち約1,472社(39.5%)がPBR1倍割れです。この記事では、PBR1倍割れ銘柄の実態と投資機会を探ります。

PBR(株価純資産倍率)とは

PBRは「株価÷1株あたり純資産」で計算されます。PBR1倍は、株価がちょうど帳簿上の純資産と同じ水準であることを意味します。

  • PBR < 1倍: 理論上、会社を解散して資産を分配した方が株主にとって得 → 「割安」のシグナル
  • PBR > 1倍: 市場が帳簿上の資産以上の価値(ブランド、技術力、成長性など)を認めている

PBR1倍割れ × ROE 5%超の注目銘柄

単にPBRが低いだけでなく、ROEが一定水準以上の企業は「市場に見落とされている優良企業」の可能性があります。

銘柄セクターPBRROEPER自己資本比率配当利回り
IHI(7013)機械0.49倍27.4%2.6倍21.5%7.9%
藤田観光(9722)情報通信0.85倍39.8%2.2倍24.7%2.5%
共栄タンカー(9130)運輸・物流0.39倍28.8%1.5倍26.1%3.9%
玉井商船(9127)運輸・物流0.39倍26.9%1.6倍69.3%4.5%
ビジネスエンジニアリング(4828)情報通信0.68倍27.6%2.7倍71.6%13.3%
グローバル・リンク・マネジメント(3486)不動産0.94倍33.3%3.2倍31.8%9.6%
第一屋製パン(2215)食品0.47倍28.6%1.9倍52.0%-
巴コーポレーション(1921)建設・資材0.99倍33.4%3.2倍42.3%2.0%

PBR1倍割れが続く3つの理由

1. 低ROE体質

日本企業の平均ROEは約7.2%。PBR1倍割れ企業の中には、ROEが低く資本を有効活用できていない企業も多く含まれます。ROEが株主資本コスト(一般に8%前後)を下回る場合、理論的にPBR1倍割れは「正当な評価」です。

2. 政策保有株式・余剰現金

使途の明確でない現金や政策保有株式を大量に抱えている企業は、PBRが低くなりがちです。これらの資産を売却し、自社株買いや成長投資に回すことでPBR改善が期待できます。

3. 市場の関心不足

時価総額の小さい企業、アナリストカバレッジの少ない企業は、適正な評価を受けにくい傾向があります。上表の海運・建設セクターにはこのケースが多いと考えられます。

東証の改善要請後の変化

東証の要請以降、多くの企業がPBR改善に向けた施策を発表しています。具体的には自社株買い、増配、政策保有株式の売却、事業ポートフォリオの見直しなどです。PBR1倍割れ銘柄は、これらの施策によるバリューアップの恩恵を受ける可能性があります。

Zaimiruで割安銘柄を探す

スクリーニングでPBRの上限を1倍に設定し、ROEの下限を加えることで、本記事のような「見落とされた割安高収益銘柄」を自分で発掘できます。セクター比較でPBRの低いセクターから探すのも有効です。


※ 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。

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