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電力・ガスセクター再評価 — PBR改善とディフェンシブ投資の新潮流

PBR0.5倍前後で放置されてきた電力株が変わりつつあります。東北電力ROE21%、関西電力18.9%など、業績回復した電力・ガスセクターの投資価値を検証します。

編集: Zaimiru 編集部 ・公開日: 2026-03-14 ・最終更新日: 2026-03-14 ・編集方針計算ロジック訂正履歴

電力セクターの逆襲

2022年のエネルギー価格高騰で大打撃を受けた電力各社ですが、電気料金の値上げ効果と燃料費の安定化により、業績は急回復しています。ROE 20%前後を叩き出す企業が複数出現し、PBR1倍割れの割安さと合わせて投資家の注目を集めています。

電力・ガスセクター財務データ

銘柄コードROE配当利回りPBR
グリムス315031.2%3.3%3.47倍
東北電力950621.4%3.3%0.57倍
北陸電力950521.0%2.3%0.53倍
北海道電力950919.1%2.5%0.46倍
関西電力950318.9%3.3%0.73倍
四国電力950718.6%3.4%0.62倍
中国電力950416.5%3.1%0.54倍
九州電力950814.9%3.7%0.69倍
北海道瓦斯953413.4%10.6%0.56倍
電源開発95139.5%3.9%0.43倍

なぜPBRが低いままなのか

ROE 20%前後を維持しているにもかかわらず、PBR 0.5倍前後という状況は理論的には矛盾しています。その背景にはいくつかの要因があります。

  1. 規制産業リスク: 電力料金は規制対象であり、政治リスクが株価に織り込まれやすい
  2. 原発再稼働の不確実性: 各社の原発保有状況が株価に大きく影響
  3. 脱炭素投資負担: 再エネ投資・石炭火力廃止のコストが将来の利益を圧迫する懸念
  4. 人口減少: 電力需要の長期的な縮小トレンド(ただしデータセンター需要が相殺する可能性)

注目の3銘柄

関西電力(9503)— 原発再稼働の優等生

大飯・高浜・美浜の3原発が稼働中で、燃料費低減効果が大きい関西電力。ROE 18.9%、配当利回り3.3%、PBR 0.73倍と投資指標のバランスが良好です。

九州電力(9508)— 配当利回り3.7%の安定株

川内原発の稼働と再エネ比率の高さが強み。配当利回り3.7%はセクター内でもトップクラスで、インカムゲイン狙いの投資先として有力です。

北海道瓦斯(9534)— 配当利回り10.6%の高配当

都市ガス事業を基盤とする安定企業でありながら配当利回り10.6%は突出しています。ROE 13.4%、PBR 0.56倍と、ガスセクターならではの安定感も魅力です。

データセンター需要という追い風

AI・クラウドの急拡大に伴うデータセンター建設ラッシュは、電力需要の新たな成長ドライバーです。従来の「人口減→電力需要減」というシナリオが修正される可能性があり、電力株の再評価材料となっています。

まとめ

電力・ガスセクターは「PBR割安×高配当×業績回復」の三拍子が揃った数少ないセクターです。データセンター需要という構造的な追い風も加わり、ディフェンシブ銘柄としての魅力が増しています。

セクター全体の比較はセクター比較ページでご確認いただけます。


※ 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。

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