ROICとは何か
ROIC(Return on Invested Capital、投下資本利益率)は、企業が事業に投じた資本(自己資本+有利子負債)に対してどれだけ利益を生んでいるかを示す指標です。
ROIC = 税引後営業利益(NOPAT)÷ 投下資本
ROEが「株主の資本」に対する利益率なのに対し、ROICは「借入を含む事業全体の資本」に対する利益率です。この違いが重要なのです。
なぜROEだけでは不十分か
ROEには「レバレッジ効果」という落とし穴があります。借入を増やして自己資本の比率を下げれば、利益が同じでもROEは上がります。
| 指標 | A社(低レバレッジ) | B社(高レバレッジ) |
|---|---|---|
| 営業利益 | 100億円 | 100億円 |
| 自己資本 | 500億円 | 200億円 |
| 有利子負債 | 100億円 | 400億円 |
| ROE | 15% | 35% |
| ROIC | 14% | 14% |
B社はROEが35%と高く見えますが、ROICで見るとA社と同じ14%。借入で「水増し」されたROEに騙されないためにROICが必要なのです。
ROIC上位企業の共通点
| 銘柄 | コード | ROIC | ROE | セクター |
|---|---|---|---|---|
| HANATOUR JAPAN | 6561 | 43.6% | 61.3% | 情報通信 |
| トレンドマイクロ | 4704 | 40.6% | 28.5% | 情報通信 |
| レーザーテック | 6920 | 40.4% | 47.6% | 電機・精密 |
| ZOZO | 3092 | 40.4% | 49.7% | 小売 |
| ラクス | 3923 | 38.7% | 46.6% | 情報通信 |
| サンリオ | 8136 | 41.3% | 58.1% | 商社・卸売 |
高ROIC企業の共通点は明確です。
- 軽資産ビジネス: 大規模な設備投資が不要(IT・プラットフォーム・IP)
- 高い参入障壁: 技術力やブランドで競争優位を維持
- ストック型収益: サブスクリプションやライセンス収入で安定
ROICの目安
- WACC(加重平均資本コスト)を上回ることが最低条件。一般的なWACCは5〜8%程度
- 10%以上: 優秀
- 15%以上: 非常に高い資本効率
- 20%以上: 卓越した競争優位性を持つ企業
ROEとROICの使い分け
| 比較項目 | ROE | ROIC |
|---|---|---|
| 何を測るか | 株主資本の効率 | 事業全体の資本効率 |
| レバレッジの影響 | 受ける(高借入→高ROE) | 受けにくい |
| 適した用途 | 株主目線での収益性評価 | 事業の本質的な稼ぐ力の評価 |
| 注意点 | 財務レバレッジで水増し可能 | セクターで水準が大きく異なる |
結論として、ROEとROICを両方確認するのがベストです。両方が高い企業は「本物の高収益企業」と判断できます。
Zaimiruでの確認方法
ZaimiruのスクリーニングではROICでの絞り込みが可能です。ROE × ROICのクロス分析で、レバレッジに頼らない真の高収益企業を見つけてみましょう。
個別企業のROICは企業比較ページで他社と比較して確認できます。