セクターローテーションとは
景気には「回復→拡大→後退→底打ち」のサイクルがあり、各局面で株価が上昇しやすいセクターが異なります。これを「セクターローテーション」と呼び、景気の変化に先回りして有利なセクターに投資する戦略です。
景気サイクルと有利なセクター
| 景気局面 | 特徴 | 有利なセクター |
|---|---|---|
| 回復期 | 金利低下・景気底打ち | 金融、不動産、建設・資材 |
| 拡大期 | 企業業績改善・消費拡大 | 機械、電機・精密、自動車、素材・化学 |
| 過熱期 | インフレ・金利上昇 | エネルギー資源、鉄鋼・非鉄、商社・卸売 |
| 後退期 | 景気減速・リスク回避 | 食品、医薬品、電力・ガス、小売(生活必需品) |
現在の17セクターを分類する
景気敏感(シクリカル)セクター
景気拡大時に大きく上昇し、後退時に大きく下落する傾向があります。
- 鉄鋼・非鉄: 平均ROE 8.8%、配当利回り5.6%。資源価格・建設需要に連動
- 機械: 平均ROE 7.4%。設備投資サイクルの影響を強く受ける
- 自動車・輸送機: 平均ROE 4.5%、PBR 0.83倍。為替感応度が高い
- 素材・化学: 平均ROE 6.6%。原材料価格と需要の両方に影響される
ディフェンシブ(守り)セクター
景気に左右されにくく、安定した業績が期待できます。
- 食品: 平均ROE 8.4%。生活必需品のため需要は安定
- 医薬品: 平均PBR 2.83倍。新薬パイプラインで大きく株価が動く
- 電力・ガス: 平均ROE 10.6%、PBR 0.76倍。規制産業の安定感
- 小売: 生活必需品系は安定、嗜好品系は景気敏感的に動く
金利敏感セクター
金利動向が業績に直結するセクターです。
- 銀行: 平均ROE 5.3%、PBR 0.58倍。金利上昇で利ざや改善
- 金融(除く銀行): 平均ROE 12.6%。保険・リースなど多様な業態
- 不動産: 平均ROE 11.5%。金利上昇はコスト増だが、インフレで資産価値上昇
構造成長セクター
景気サイクルよりも構造的な成長トレンドの影響が大きいセクターです。
- 情報通信・サービス: 946社と最大セクター。DX・AI・クラウドが構造的追い風
- 運輸・物流: 平均ROE 10.4%。EC拡大とインバウンド回復が成長ドライバー
セクターローテーションの実践ポイント
- 先回りが基本: 株価は景気の半年〜1年先を織り込む。景気後退中にシクリカルを仕込む
- 完全な予測は不可能: 分散投資でリスクを抑えつつ、比率を調整する程度が現実的
- 個別銘柄の質が重要: セクター全体が不調でも、優良企業は底堅い
- 指標で裏付けを取る: 「今このセクターは割安か?」をPBR・PERで定量的に確認
セクター間の比較はZaimiruのセクター比較ページでリアルタイムに確認できます。各セクターのROE・PBR・配当利回りを一覧し、現在の局面でどのセクターに投資妙味があるか判断しましょう。