投資判断に必要な「5つの数字」
企業の決算書には膨大な数字が並んでいますが、投資判断に最低限必要な指標は実は5つだけです。この記事では、初心者がまず押さえるべき5つの指標を、できるだけシンプルに解説します。
1. ROE(自己資本利益率)— 稼ぐ力の指標
ROE = 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100
「株主のお金を使ってどれだけ効率よく稼いでいるか」を示す指標です。
- 8%以上: 合格ライン(日本株の平均は約6〜7%)
- 15%以上: 優秀な企業
- 20%以上: 非常に高い収益力
ただし、借入が多い企業は自己資本が小さくなるためROEが高くなりやすい点に注意。自己資本比率と合わせて確認しましょう。
2. PER(株価収益率)— 割安度の指標(利益ベース)
PER = 株価 ÷ 1株当たり利益(EPS)
「今の利益水準が続くと仮定して、投資額を回収するのに何年かかるか」を示します。
- 15倍以下: 割安の目安
- 15〜25倍: 標準的な水準
- 25倍以上: 成長期待が織り込まれている
成長企業のPERが高いのは「将来の利益増」を先取りしているため。業種によっても適正PERは異なります。
3. PBR(株価純資産倍率)— 割安度の指標(資産ベース)
PBR = 株価 ÷ 1株当たり純資産(BPS)
「企業の持つ純資産に対して株価が何倍か」を示します。PBR 1倍は「解散価値」と同じ水準です。
- 1倍以下: 資産価値以下で買える(ただし理由がある場合も)
- 1〜2倍: 標準的
- 3倍以上: ブランド力・成長性が評価されている
日本株はPBR1倍割れが約37%(約1,370社)と多く、東証もPBR改善を要請しています。
4. 配当利回り — インカムゲインの指標
配当利回り = 1株当たり配当 ÷ 株価 × 100
「投資額に対して年間でどれだけ配当がもらえるか」を示します。
- 2%以下: 低め(成長重視企業に多い)
- 2〜4%: 標準的
- 4%以上: 高配当
配当利回りが極端に高い場合、株価下落による「見かけの高利回り」の可能性があります。配当の継続性も確認しましょう。
5. 自己資本比率 — 安全性の指標
自己資本比率 = 自己資本 ÷ 総資産 × 100
「会社の資産のうち、借金に頼っていない割合」を示します。高いほど財務が安定しています。
- 40%以上: 安定的
- 60%以上: 堅実な財務基盤
- 20%以下: 注意が必要(ただし銀行・不動産は業態上低い)
5指標の組み合わせで見る
各指標を単独で見るのではなく、組み合わせて判断することが重要です。
| 投資スタイル | 重視する指標 | 目安 |
|---|---|---|
| バリュー投資 | PER × PBR | PER15倍以下 × PBR1倍以下 |
| グロース投資 | ROE × 売上成長率 | ROE15%以上 × 売上成長10%以上 |
| 配当投資 | 配当利回り × 自己資本比率 | 利回り3%以上 × 自己資本比率40%以上 |
| 安定重視 | 自己資本比率 × ROE | 自己資本比率60%以上 × ROE8%以上 |
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各指標の詳しい解説は、ROEの基本やPER・PBRの基本もご参照ください。